きのこ天ざるを食べた。2段のせいろにたっぷりのそば、その隣には舞茸、椎茸、エリンギ、そして大葉の天ぷら。からりと揚げられたきつね色をしていた。香ばしいかおりがする。まずは器にそばつゆを注ぎ入れ、そこにわさびを少量とかす。完全なペーストではなく粗おろしで、ほろほろとつゆに溶けていった。刻み海苔も入れる。それから、そばに箸をつける。つやがあった。少し多いかな、くらいの量をもちあげてつゆにつけると、ふやけた海苔やわさびのつぶがそばにからんだ。口に運ぶ。しっかりとコシのあるそばに、あまみと塩味のバランスが絶妙なつゆ。意外にもわさびはツンとせず、風味だけで存在を示している。そこに海苔の香りがのっかる。完璧な配合。めちゃくちゃうまい。それから、楽しみでしかたなかった舞茸に箸をつけると、びっくり。でかい。拳くらいある舞茸の天ぷらがふたつものっている、嬉しい。ひとつ食べる。あつあつザクザク。しっかりめに揚げられていて、大好きなザクザクな衣。そこからじゅわっと舞茸のうまみが染み出して口いっぱいにひろがった。うんま〜。天ぷらは舞茸に限るな……そう思いながら、またそばを食べ、次に肉厚な椎茸の天ぷらを食べると、これまたうんま〜いんだ。前言撤回。天ぷらは、舞茸と椎茸に限る。またそばを食べ、次はエリンギ、これもうますぎる。天ぷらは舞茸と椎茸とエリンギに限るな……。そうこう繰り返しているうちに1段のせいろを平らげ、2段目に突入。そばのボリュームに改めて感激する。もくもくと食べ進め、残るは最後のひとつ。大葉の天ぷらである。そう実は、天ぷらのなかで大葉がいちばん好きなのだ。天ぷらは大葉に限る。言ってることがめちゃくちゃだが、とにかくいちばん好きなのだ。最後は大葉で締めたかった。箸をつけて、口に入れる。ザックザクでとんでもなくジューシーで、もはや大葉の味は分からないが「天ぷらせんべい」みたいでうますぎる〜〜!食感のよい油のかたまりが、不味いわけない。満足。こうして全てを食べ尽くし、そば湯であたたまって幕を閉じた。その日の夜は胸やけでしんどく、なかなかの絶不調だったが、あれだけ食べたので無理もない。至福には代償がいるのだと身をもって知ったのだった。
※2024年10月27日 note投稿