魔女修行入門|西の魔女が死んだ・渡りの一日

不安に取り憑かれやすい性分で、やたらと最新情報や他人の声を食べ続けてしまう。悩みがあれば検索するし、空き時間ができればタイムラインを眺めるか、ショート動画を見てしまう。それらの行動が、私自身を楽しませているのなら構わないのだが、どうもそうではないらしい。なぜなら、どうしようもなくショウコに惹かれてしまったから。私はショウコの生き様が大好きです。それは、素敵だなあ、なんて澱みのない賛美ではなく、もっとエゴイスティックな憧れを含んでいる。

ショウコは『西の魔女が死んだ』に収録されている「渡りの一日」に登場する。主人公まいの友人で、非常に自由奔放な性格をしている。また、まいいわく「切られた爪の一部でさえショウコ」であるほど、個が確立している。そして「口は悪いが、何事によらず、異なる文化の香りに出くわすと、まず感嘆するという美徳があった」。何事に対してもフラットであり、かつ、周囲の目や他人の感情に左右されず、そのときに自分自身が行動すべきこと(したいこと)を察知する嗅覚が、とても優れている。

きっちりしているまいは、予定を乱され振り回されもする。が、同時に信頼していることも伝わってくる。それは、まいが西の魔女(おばあちゃん)との生活を経たからこそではないかと思う。ショウコは魔女にとって欠かせない “正しい方向をキャッチする力” をナチュラルに備えていて、その証拠に、気ままに動いているようで、必要な出来事が向こうからやってきている。そんなショウコの力に、魔女修行の経験があるまいは引き寄せられているように思える。そして何より修行中のまいの行動が、ショウコを引き寄せてもいる。

私の今の暮らしで、気づけば他人の物差しと自分の物差しがごっちゃになる生活で、どうしてショウコのように振る舞えるだろうか。意志をもって悪魔を振り払うどころか、自ら取り憑かれにいき、それを放置している今の生き方で。このまま核の部分までもが侵されてしまう前に、ささやかな決まりごとを設けて、実行していこうと決めた。そして本作には、魔女修行をしたいと思わせてくれるパワーがあった。精神力を、正しい道を歩むためのアンテナを、少しずつ磨いていきたい。そして自分のささやかな習慣が、ショウコのような存在との出会いや魔女のメッセージに気付くきっかけとなれば、人生は拓かれていくのだろうと思います。まいのように。

※2025年1月4日 note投稿

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